KAZUHIDE SHIBATA
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Traces of Shooting
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ファインダーの外側を切り取るカメラアプリによる撮影行為と、撮られた写真により 「意図していないものを記録する撮影」を表現する作品 このカメラアプリでは通常の撮影と異なり、シャッターを切ることで画面上のファインダーに写るも のは保存されず、ファインダーに写らなかった外側の領域だけが保存される。よって中央に穴が 空いた形状の写真が保存される。この写真はファインダーに収めようとされなかったもの、つまり 撮影者が撮ろうとした被写体や構図を取り除いた「撮影時に意図していないもの」だけを提示す る。 スマートフォンを用いた撮影では、ポケットから取り出すだけで手軽に撮影を行うことができ、ま た、何度もシャッターを切って撮ったものを瞬時に見返すことができる。そのため「撮りたいと思っ た瞬間を残すこと」と「満足いくものを撮ること」が撮影行為の中心にあると感じられる。 この作品に使用するカメラアプリを用いた撮影では被写体が写真に残らないため、「満足いくもの を撮ること」を撮影から切り離し、「撮りたいと思った瞬間を残すこと」を行為の中心においた撮影 を実現する。 被写体が残らないため、撮られた写真から何を撮ろうと思ったのかを正確に読み取ることはでき ないが、ファインダーの外側という「撮影時に意図していないもの」が残ることによって「撮りたいと 思った瞬間」の痕跡を表現する。 撮られた写真にはファインダーから排除されたもの、撮影者が撮ろうと思った撮影位置の情報、 写真を撮った時には目を向けておらず気づかなかった景色などが「撮影時に意図していないも の」として映り込む。こうした要素による鑑賞としての魅力であると考える。 写真を撮りたいと思った瞬間を必要とした上で、意図しない写真を撮る行為は新しい撮影の態度 を生み出す。 写真を印刷して壁面に展示することで、普段は主役を収めるための額縁のように存在し、普段は 目を向けていない風景であることをより強調する。
Media
iPhone, Swift, print, cut board
Award/Exhibition
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